法人の統合・分割に伴う
システムインフラの統合・分離・廃止担当業務
法人の統合・分割(M&A、IPO準備、子会社独立など)に伴うシステムインフラの統合・分離・廃止について、コンサルティングにとどまらず、具体的な計画の立案・実行、そしてその後の運用までをトータルで請け負うエグゼクティブサービスです。
弊社では過去に多くのM&Aによるシステム統合、分割、移行などの難易度の高いプロジェクトを完遂してまいりました。基幹システムの巻き取りや新システムへの移行だけでなく、お客様に必要とされる規模とスピードに応じた最適なサービス・グランドデザインをご提案いたします。
導入事例
IPO準備のための関連会社整理(子会社分離)例
Mission(ミッション)
システム運用を全面的に委託している親会社の上場(IPO)審査基準をクリアするため、3か月以内という短期間で全システムから完全に離脱(独立)する必要がある。
スケジュール
- 具体的に移行・分離が必要なシステムの洗い出しとヒアリング
- 移行システムと移行方法の提案、および各マイルストーン(期日)の設定
- 実行フェーズへの移行と平行稼働テスト
抽出された課題(親会社との分離障壁)
- ネットワーク:新設したうえで、業務を止めないための平行稼働期間が必須。
- AD / SSO:親会社と同居しているため利用不可。
- メール:Googleを利用しているが、親会社と同一アカウント内に紐づいているため単純な分離が不可。
- ファイルサーバー:親会社の拠点内にあるオンプレミスサーバーを共同利用しているため、物理的な引っ越し(サーバー自体の持ち出し)は不可。
- 業務システム:親会社のAWS上に構築されたデータ集計・グラフ化システムについて移管が必要だが、現行の保守先は利用不可。
- アカウント分離:AWSやドメイン等、親会社名義で契約されているものを分離・契約変更する必要がある。
- PC端末:親会社へのリース返却が必要なため、全台入れ替えが必須。
- リモートワーク:親会社データセンターにあるFortiGateを経由しているため継続利用不可。代替手段の構築が急務。
実行フェーズにおける対策
- ① ネットワーク
- 新規回線を引き込む猶予がない状態だったため、既存のNTTフレッツ回線のセッションを増設。弊社在庫のYAMAHAルーターを利用して2拠点のIPsec接続を即時構築。親会社ネットワークへの直接乗り入れは拒否されたため、社内に両ネットワークへアクセス可能な「踏み台サーバー」を配置し、遠隔で各移行作業を実施できる環境を構築。新旧双方のWi-Fiを設置し、ユーザーがWi-Fiを切り替えるだけで両ネットワークを利用可能な状態で平行運用を開始。移行完了時は旧設備の電源を落とすだけで完了する状態に仕上げた。
- ② AD / SSO
- 親会社AD上で管理されたSSOでログイン制御されていたが、分離後は少人数での運用になるためAD構築は重厚すぎると判断。将来的な再導入を視野に入れつつ、今回はコストとスピードを優先しWorkGroupでの運用へシフトした。
- ③ メール(Google Workspace分離)
- 「既存Google → 新規Google」へのデータ移行方針を決定。しかし、親会社ドメインのアドレスを使用しているため分離不可。そこで新規Googleアカウントを契約し、ドメイン認証やMX変更等の作業を実施。移行に時間がかかるデータ移行を優先して実行。さらに親会社システム部と交渉し、切り替え後のアドレスマッピングによる転送確約を取り付け、切り替え後も旧アドレス宛のメールが新アドレスへ届く運用を確立した。
- ④ ファイルサーバー
- 物理的な移設が不可なため、新規でNASを急ぎ調達して現地オフィスに設置。平行ネットワークの踏み台サーバーを利用してバックアップ同期を実施。親会社との回線速度が低速で日中の業務に影響が出たため、バックアップバッチを対象ごとに制御・実行時間を夜間に調整する改修を実施。全データコピー完了後、差分同期を継続し、Xデーに無停止での切り替えを完了させた。
- ⑤ 業務システム(AWS / QuickSight)
- 継承が必要なシステムの中に、親会社のAWSアカウント(EC2・QuickSight等)を利用した複雑なシステムが存在。親会社の権限ロールに紐づくIDが使われており、設計図書もなく、制作者からの技術協力も得られないため「現状システムのままの継承」は不可能と判断。しかし他社へも提供している重要システムのため廃止はできず、インフラ移行とは別動で「開発プロジェクトチーム」を急遽編成。同一の動作をするシステムを新規で再構築するというウルトラCで乗り切った。
- ⑥ アカウント分離と契約移行
- 親会社名義のAWSやドメイン等の分離・引き継ぎ作業を弊社が代行。社内調整が間に合わない支払い先変更については、一時的に弊社(DX-IS)が立て替え支払いを行うことでサービス停止を回避し、後日正式な支払い変更を実施した。
- ⑦ PC端末の全台入れ替え
- Amazon等で即納可能な機種を選定し、お客様手配で弊社宛に直送。弊社にてマスターPCを作成しクローン展開した上で各拠点へ発送。現場での物理配置はお客様にて実施いただき、起動後に平行ネットワークから弊社がリモートでプリンター設定等を行い、スムーズに入れ替えを完了させた。
- ⑧ リモートワーク(VPN代替)
- 親会社のFortiGateが利用できなくなるため、新設したYAMAHAルーターのL2TP/IPsecを利用したクライアントVPNを独自に構築。全社員分のセキュアなアクセスIDを発行した。
プロジェクトの総括
初回ヒアリング時点でXデーまで残り3か月、発注時点で残り2か月を切るという極めてタイトなスケジュール。後から組み込める機能は後回しにし、「まずは業務を絶対に停止させないこと」を最優先とするグランドデザインを立案。弊社所有の即納機材を活用したネットワーク構築、総務部門と連携したリモートキッティング、さらには開発チームの緊急編成など、コンサルと実働部隊を兼ね備えるDX-ISならではの機動力で、困難な分離プロジェクトを期日内に完全成功へと導いた。
親会社方針変更によるシステム分割例
Mission(ミッション)
運営方針の変更により、これまで人的リソースも含め全面的に依存していた親会社のITインフラ・業務系システムから独立し、自前で準備する必要が発生。当初6か月の猶予があったが、社内担当者の退職により暗礁に乗り上げ、弊社へご相談いただいた段階で残り約2か月に迫っていた。新担当者は総務兼任で状況把握が困難、かつ自社負担のため大きな予算も組めないという二重苦の状況。
スケジュール
- 具体的に移行が必要なシステムの現状調査とヒアリング
- 移行システムと移行方法の提案、各マイルストーンの設定
- 実行フェーズ(平行稼働と切り替え)
抽出された課題
- ネットワーク:設備ごとに廃止・切り替え時期が異なり、親会社回線からしかアクセスできないシステムがあるため平行稼働期間が必須。
- AD / SSO:親会社と同居しているため利用不可。
- メール:親会社のExchangeを利用しADでデバイス制御されているため、別PCでの設定が不可(メールドメインは別運用)。
- ファイルサーバー:親会社データセンター内のオンプレミスサーバーを共同利用しており物理移設不可。AD認証も紐づいている状態。
- 業務システム:ASPサービスおよび親会社関連企業が運用するFileMakerがあり、FileMakerの移管ができない状態。
- アカウント分離:AWSやドメイン等、親会社名義の契約分離が必要。
- PC / スイッチ:親会社への返却が必要なため、ネットワーク機器も含めた入れ替えが必須。
- リモートワーク:親会社のFortiGateが利用不可になるため代替手段が必要。
- ドメイン管理:社内デザイナーがWebサイトを運用しているが、ドメイン管理者不在で契約状況がブラックボックス化。
実行フェーズにおける対策
- ① ネットワーク
- 新規回線は引き込まず、既存フレッツ回線を分岐してマルチセッション化。弊社在庫のYAMAHAルーターを利用してIPsec接続による新規ネットワークを構築。親会社ネットワークへの直接接続が拒否されたため、両ネットワークにアクセス可能な踏み台サーバーを配置し遠隔作業を実現。新旧Wi-Fiを切り替えることで業務を止めない平行運用を開始した。
- ② AD / SSO
- 少人数運用であること、また予算の制約を考慮し、AD/SSOは両方とも廃止する方針を決定。シンプルで運用負荷の少ないWorkGroup運用へシフトした。
- ③ メール(Exchangeからの脱却)
- Exchangeから新規Googleへのデータ移行を決定したが、親会社方針で移行に必要なIMAP接続が拒否される事態に。旧データについてはOutlookに残し、閲覧専用とする方針に切り替えた。新規Googleアカウントを契約してドメイン認証やMX変更を行い、早期に利用可能な状態を構築。セキュリティ制約上Gmailが使えない親会社PCと平行利用するため、Wi-Fiの新旧切り替えで対応した。
- ④ ファイルサーバー
- 物理移設不可のため、新規でNASを急ぎ調達してオフィス内に設置。踏み台サーバーを利用してバックアップ同期を実施し、全データコピー完了後に差分同期へ移行。Xデーに無停止で切り替えられる状態を構築した。
- ⑤ 業務システム(FileMaker等)
- FileMakerについては、日常的に依頼している外部業者の移行サービスを利用するようディレクション。その他のASPサービスはID/PWを調査し、支払い先や管理アドレスの変更を弊社が代行実施した。
- ⑥ アカウント分離と契約移行
- 親会社名義のAWSやドメインの分離引き継ぎ作業を弊社が代行。社内調整が間に合わない支払い先変更については、弊社が一時的に立て替え払いを行うことでサービスの停止を防いだ。
- ⑦ PC / スイッチの入れ替え
- 新規PC購入の時間がなかったため、Amazon等で即納モデルを選定しお客様に購入手配を依頼。スイッチについては、これまでのCisco L2スイッチから、次期ネットワークではインテリジェント機能不要と判断し、安価でループ制御機能付きのノンインテリジェントHUBへダウングレードすることで大幅なコストカットを実現した。
- ⑧ リモートワーク(VPN代替)
- 親会社のFortiGateの代替として、YAMAHAルーターのL2TP/IPsecを利用したクライアントVPNを構築し、全社員へアクセスIDを発行した。
- ⑨ ブラックボックス化したドメイン管理の正常化
- DNSサービスが複数存在し、保有ドメインすら把握できていない状態だったため、弊社にて徹底的な状況調査を実施。各ドメイン管理サービスの更新方法やID/PWをすべて巻き取り、自社で安全に管理・運用できる状態へと正常化させた。